写真館ヒストリー(4)長岡大雪写真はがき
写真館こばやしに残る歴史を紹介する写真館ヒストリー。
第4回は長岡大雪写真はがきです。
2026年2月2日長岡駅前すずらん通りにて撮影
2026年2月現在、長岡では近年稀に見る大雪に見舞われています。
しかし今から63年前の西暦1963年、昭和38年1月の豪雪はそれを遥かに凌ぐものでした。
通称「三八豪雪」と呼ばれるものです。
日本海側を中心に約1ヶ月雪が降り続き、全国に甚大な被害をもたらした三八豪雪。
長岡では当時最大の318cmの積雪を記録したそうです。
2代目の小林實は、長岡駅前を中心に豪雪の風景やそこで暮らす人々のようすを丹念に写真に残し、それらを銀塩プリントで仕上げてポストカードにし、店頭で販売することを考案しました。
「長岡 大雪」と題されたポストカードセット
大手通りの雪の壁や、レンガ造りの六十九銀行(北越銀行の前身)の建物などの写真は当時よく売れたそうです。
しかし、ある意外な目的をきっかけに、ポストカードが更に飛ぶように売れるようになったのです。
それは長岡の企業による取引先への「お詫びの手紙」でした。
豪雪の影響で出荷が遅れた長岡の製造会社が、取引先に「豪雪のため出荷が遅れて申し訳ございません」と謝る手紙を書くために、このポストカードをこぞって買い求めたとのことです。インターネットやSNSがなかった当時、雪深い風景の写真付きの謝罪を受け取った相手は、その写真を見て「これだけの雪なら仕方ない」と納得してくれたといいます。
当館では高まる需要に応えていくため、連日の夜間作業が続きました。当時の白黒写真は自家処理で仕上げていたため、銀塩焼増しプリントの水洗いが終わると暗室で一枚一枚乾燥させる、ひたすらその作業の繰り返し。写真館は大忙しだったとのことです。
ポストカードセットの一例。左上から スズラン通り、大手通り、駅前、表町通り
その後はポストカードの版権を大阪屋書店様に移管し、販売は続けられました。
当館ではこのポストカードの売上で、当時「日本初のマイカー」として人気を馳せたスバル360を1台買えるようになったとか。
2代目夫婦とスバル360
大雪の様子などは今ではSNSが発達し、個人でもすぐにその様子を世界に発信できるようになり、コミュニケーションの方法も大きく様変わりしましたね。
今でもこうして過去の様子を今でもありありと知ることができるのは、写真のもつ力によるものだと改めて実感しています。
長岡はもちろん、雪国にお住まいの方は引き続き大雪にお気をつけてお過ごしください。